【2024年度最新】ベトナムでの広告、何が効果的?失敗しない選び方
ベトナム向けの広告を考えている人
「ベトナムで広告を打ちたいけど、どんな選択肢があって、何がいちばん効果的なんだろう?広告予算ってどのくらい必要?そもそも自社でやるべきなのかな、もしくは代理店にお願いした方がいいのかな?」
こういった疑問に答えます。
本記事のテーマ
今まさにベトナムでの広告施策に悩んでいる方向けの記事です
誰が書いているか
この記事を書いている私、Talenty Co., Ltd.の栗原は、デジタルマーケティングに携わって16年、そのうちベトナムでは7年間活動してきました。これまでに100社以上のデジタルマーケティング支援を行ってきましたが、ベトナムにいる日本人でこれほど深くデジタルマーケティングに取り組んできた人は他にいないと思います。詳細な経歴については、会社概要ページをご覧ください。
≫参考:栗原のプロフィール
この記事の目次
この記事を読んで頂ければ、自分に合った広告のやり方が見えてきますので、売上アップの糸口になるかもしれません。
業種と狙う国籍別のおすすめ広告施策
ベトナムでの適切な広告施策は、「業種」と「国籍」(日本人向けかベトナム人向けか)によって異なります。
私が考える、業種と狙う国籍別のおすすめ広告施策をご紹介します。
BtoC事業者向けのおすすめ広告施策
店舗系サービス(飲食店、美容室、エステサロン、病院、塾など)
- 日本人向け:Google検索広告(ローカル検索広告含む)、Facebook広告(Instagram含む)
- ベトナム人向け:Facebook広告(Instagram含む)、Zalo広告、Google検索広告(ローカル検索広告含む)
まず、検索しているユーザーを取りこぼさないためにGoogle検索広告を利用することをお勧めします。Googleマイビジネスと連携することで、Googleマップ上にも広告を表示できればさらに効果的です。その際には、店舗から5km以内や10km以内などの範囲指定を必ず行ってください。日本人もGoogleマップをよく利用しますが、実はベトナム人も頻繁に使用しており、ベトナム人の口コミ数は非常に多いです。
MEO(Map Engine Optimization)は時間がかかるため、少額でも広告費を投じながら、お店の情報を充実させて自然検索で上位表示されるのを待つのが賢明です。Googleマイビジネスに関しては、オーナー認証ができないという問題をよく耳にします。オーナー認証の方法には「電話認証」と「ハガキ認証」の二つがありますが、ハガキ認証の場合、ハガキが届かず認証が完了しないことがベトナムでは多く見られます。このような場合、特殊な方法を取る必要がありますので、お困りの方はぜひお問い合わせください。
Google広告以外だと、Facebook広告でプロモーション告知をスポットで行っていくのがいいと思います。
人材紹介
- 日本人向け:Google検索広告、Facebook広告
- ベトナム人向け:Google検索広告、Facebook広告
人材紹介の場合、Google検索広告は必須です。ただし、広告運用の方法によって成果は大きく変わります。求職者の登録単価は重要な成果指標ですが、運用次第で数千円単位で変動します。「ベトナム 転職」や「ベトナム 求人」といったビッグワードで効率良く登録を獲得するための対策と、「ベトナム {職種名}」などのミドル・スモールワードからも登録を獲得するための対策はそれぞれ異なります。
Google広告で重要な施策は、キーワードに合った広告文を設定することです。膨大な数の広告文を生成する必要があり大変ですが、これができれば成果は飛躍的に向上します。Google広告で費用対効果の最適化ができるようになったら、Facebook広告も始めると良いでしょう。
不動産
- 日本人向け:Google検索広告、Facebook広告
- ベトナム人向け:Google検索広告、Facebook広告
賃貸物件、不動産投資、不動産売買、サービスオフィスなど、ジャンルによって異なりますが、まずFacebook広告を行うことを強くお勧めします。Facebook広告は、高精度なターゲティング機能を持ち、多様なユーザー層にリーチできるため、特に不動産関連のサービスを効果的に宣伝するのに最適です。
WEBサイトが現状であまり魅力的でない場合や、今すぐにWEBサイトを作り直すことができない場合でも、Facebook広告から始めることで、魅力的なビジュアルやクリエイティブなコンテンツを通じてユーザーの興味を引きつけることができます。
また、Facebook広告は、ユーザーの興味・関心や行動データを基に精密なターゲティングが可能で、例えば不動産関連の興味を持つユーザーや引っ越しを検討しているユーザーにピンポイントでアプローチできます。こうした高精度なターゲティングにより、効果的な広告配信が実現します。
予算に余裕があれば、Google広告も併せて行うことで、さらに効果を高めることができますが、まずはFacebook広告から始めることをお勧めします。
EC(単品通販)
- 日本人向け:Google検索広告、Facebook広告
- ベトナム人向け:YouTube広告、Google検索広告、Facebook広告
LTVが高くてCACを高めに設定できるかどうかでも変わりますが、ECにおいてはGoogle広告は基本的に必須の施策です。ベトナム人向けのマーケティングにおいては、ランディングページ(LP)の構成・デザインとコールトゥアクション(CTA)の種類が重要です。特に、LPへの流入から購入までのプロセスが成功の鍵を握ります。また、YouTube広告がGoogle広告に匹敵するほどの獲得効率を発揮することもあります。しかし、これらはいずれも運用次第で費用対効果が数倍変わる可能性があります。単品通販向けの広告運用は非常に奥が深いです。
EC(複数商品)
- 日本人向け:Google検索広告(ショッピング広告)
- ベトナム人向け:YouTube広告、Google検索広告(ショッピング広告)、Facebook広告
複数の商品を取り扱うECサイトであれば、Googleショッピング広告を活用することをおすすめします。Googleショッピング広告は、商品名や関連するキーワードで検索したユーザーに対して、検索結果画面に商品画像を表示することで購入意欲を高めることができます。また、通常の検索広告においても、商品ごとにユニークな広告文や商品ページのURLを設定するなど、細かく設定する必要があります。これにより、運用次第で成果に大きな違いが生じます。
BtoB事業者向けのおすすめ広告施策
ほぼどんな業種でも
- 日本人向け:Google検索広告 OR Facebook広告 × LP × 資料ダウンロード
- ベトナム人向け:Facebook広告 × LP × 資料ダウンロード
BtoB事業者向けの場合、Google検索広告を利用してランディングページ(LP)に誘導し、資料ダウンロードによってリードを獲得する方法が効果的です。実際、弊社もこの方法で見込み顧客を獲得しています。多くのBtoB事業者は「問い合わせ」を増やしたいと考えますが、いきなり問い合わせをしてくれる顧客は稀です。これは、要件がまだ固まっていない場合や、問い合わせ内容を入力する手間があるためです。資料ダウンロードであれば、少量の情報を入力するだけでダウンロードが可能なため、ハードルが低く、リードを獲得しやすくなります。
また、ベトナム人向けの施策としては、Facebook広告からランディングページに誘導する方法がおすすめです。リード獲得広告やメッセージ獲得広告は反響は多いものの、リードの質が非常に低く、実際の売上に結びつきにくい傾向があります。ベトナム人向けの場合、資料ダウンロードではなく、問い合わせによるコンバージョンでも十分に成果を上げることが可能です。
結論、ベトナムではGoogle広告とFacebook広告
業種によって、Google広告とFacebook広告の相性は異なります。Google広告は検索意図に基づくターゲティングが得意であり、特定のキーワードを検索したユーザーに対して広告を表示できます。一方、Facebook広告は興味・関心や行動データに基づくターゲティングが得意で、視覚的な広告フォーマットが多様です。どちらのプラットフォームを選ぶかは、業種や広告の目的によって変わります。
Zalo広告も有効な選択肢ですが、予算が限られている場合は、まずはFacebook広告に注力することをおすすめします。ターゲティング精度についてFacebook広告に軍配があがるため、Facebook広告の方が成果を出しやすいためです。また、予算を分散させてしまうと効果検証がどちらも中途半端になってしまうためです。限られた予算で最大の効果を得るためには、まずはFacebook広告を活用し、その後の拡張を検討するのが賢明です。
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指定URLターゲティングも有効
最近では、競合サイトの訪問者をターゲティングして広告を配信する「指定URLターゲティング広告」という手法も効果的です。
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いくらが適切なのか?広告予算の考え方。
広告予算、結構悩むポイントだと思います。
結論から先に書くと、下記の方法で広告予算の目安を知ることが可能です。
- ステップ1:LTV(顧客生涯価値)を算出する
ステップ2:LTVの3分の1を目標CAC(顧客獲得コスト)とする
ステップ3:目標CAC × 新規獲得したい客数 = 広告予算
LTV?CAC?なんか難しい言葉が出てきたぞ、、、
詳しく説明しますね。
LTV(Life Time Value = 生涯顧客価値)は、ある顧客が一生のうちに、自社製品やサービスをどれだけ購入、利用してくれるのか、どのくらいの利益をもたらしてくれるのか、を示す値です。
CAC(Customer Acquisition Cost = 顧客獲得費用)は、顧客1社を獲得するために必要となるマーケティングや営業のコストのことを示す値です。
これだけだと、さっぱり何のことか分からないと思いますので、美容室の場合を例にして説明します。
まず、美容室のLTVの計算式は、
- [LTV] = [年間来店回数] × [客単価]
です。
例えば、
「年間来店回数」6回 × 「客単価」100万ドンの場合 = 1顧客あたりのLTVは600万ドン(約3万円)
ということになります。
これは言い換えると、1人の新規のお客さんを獲得したら3万円の売上に繋がるということですね。
次にCACについて考えてみましょう。
CACとは1顧客獲得に掛かる費用のことを指します。CACの計算式は、
- [CAC] = [合計顧客獲得費用] ÷ [新規顧客獲得数]
です。
そして、美容室の場合は、CAC(顧客獲得単価)はLTVの5~20%が適正と言われています。
(※他の業種ではCACはLTVの3分の1以下が目安になることが多いです)
- 許容CAC = LTV × 20%
この計算式を元に考えると、LTVが600万ドン(約3万円)であれば許容CACは120万ドン(約6,000円)ということになります。
そこで、一旦CAC目標を120万ドンとして、後は何人くらいの新規客を毎月獲得したいのかで必要な月次広告費を算出出来ます。10人であれば、1,200万ドンですし、100人であれば12,000万ドンになります。
まとめるとこのようになります。
- ステップ1:LTVを算出する → 600万ドン
ステップ2:LTVの3分の1を目標CACとする → 180万ドン(上の例だと120万ドン)
ステップ3:目標CAC × 新規獲得したい客数 = 広告予算 → 10人新規獲得したいなら1,800万ドン
この目標CACと予算に基づいて広告を運用して、しっかり効果検証を行っていくことが大切です。
ここでは美容室を例にして解説しましたが、他の業種でも基本的な考え方はそこまで変わりませんので自分の業種に当てはめて考えてみて下さい。初めて広告を実施するということであれば、あまり難しく考えず、最初は月$300くらいでスモールスタートして様子を見て徐々に上げていくということでも良いと思います。まずはテストマーケとして初めてみるということが重要です。
考えてみて分からなければ、適切な予算感についても無料相談を承ります。
広告は自社でやるべき?代理店にお願いするべき?
これは様々な考え方があるため、絶対的な正解は存在しません。
ただし、すでに自社にマーケティングチームがある場合を除けば、総合的に見て代理店に依頼する方がメリットが大きいと言えるでしょう。
それぞれのメリット・デメリットは以下のようになるかと思います。
広告を自社で行う場合
メリット
- 運用手数料が掛からない
- 自社内にノウハウが蓄積されやすい(共有スキームは必要)
デメリット
- 初心者による運用の場合、成功率が低い
- 何が正解で何が間違っているのか分からないまま広告費を使うことになる
- 既存スタッフに兼務で任せる場合、片手間の運用では成功率が低い
- 新しいスタッフを雇うと固定費となり、コスト削減しづらい
- 運用状況が社内で共有されていないと、担当スタッフの退職により何も分からなくなるリスクがある
- 自分でやる場合、通常業務にプラスされるので忙しくなる
- GoogleやFacebookなどの媒体への直接支払いだとレッドインボイスが発行されない
広告を代理店に依頼する場合
メリット
- すでに実績のある代理店に任せることで成功率が上がる
- 代理店から適した広告施策や改善についてアドバイスがもらえる
- 定期的に分かりやすく成果状況をレポートしてもらえる
- 広告運用に時間を掛けることなく主業務に集中できる
- レッドインボイスを発行してもらえるため経費処理しやすい
- 代理店への仕払いは変動費のため万が一の場合にコスト削減しやすい
- 退職リスクが無いから安心して任せられる
デメリット
- 運用手数料が掛かる(しかしプロの運用により費用対効果は高いケースが多い)
- 自社内に具体的なノウハウは蓄積されづらい
これ、もう代理店にお願いした方がいいんじゃない??
メリットとデメリットを書き出してみると、代理店へ依頼する方がメリットが大きいことがわかります。
実際、自社で運用を頑張るよりも、すでにノウハウを持っている代理店に任せた方がメリットが多いのは事実です。
ノウハウの蓄積については、代理店から具体的な成果報告を受け取ることで、それがノウハウの蓄積に繋がるため、大きな問題にはならないでしょう。むしろ、他社事例や最新のトレンドを共有してもらえるため、自社で行うよりも有益な情報を得られます。
運用手数料については心配される方も多いと思いますが、前述の通りGoogle広告やFacebook広告は運用の質で成果が大きく変わります。運用手数料を支払ったとしても、自社で運用するよりも費用対効果が高くなるケースが多いです。さらに、手間を省けて分かりやすいレポートも提供されるため、特別な事情がない限り代理店に依頼する方がメリットがあります。
弊社Talentyでは、ベトナム向けの広告運用サービスを提供しております。詳しく知りたい方は、こちらから資料をダウンロードできます。
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いかがでしたでしょうか?
この記事がベトナムで広告を実施する際の参考になれば嬉しいです。
個別の相談も承ってますので、お気軽にお問い合わせください。